色材協会誌
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プラズマ開始グラフト重合による疎水性粉体の表面改質
井原 辰彦朝崎 暢彦木卜 光夫
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1996 年 69 巻 5 号 p. 307-313

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抄録

疎水性有機粉体の均一な表面改質を目的として, PStパウダー-水溶性モノマー系のプラズマ開始グラフト重合反応において, パウダー量, モノマー濃度およびプラズマ照射の影響について検討した。その結果, 均一な表面改質を実現するにはグラフト反応前後においてパウダーがサスペンションを形成する程度のパウダー量, モノマー水溶液量およびモノマー濃度でのグラフト反応が好ましいことがわかった。プラズマ照射にアルゴンプラズマを用いると照射後のパウダー表面は疎水性を示し, グラフト反応後のサスペンション中に凝集体が多く残った。一方, 水蒸気プラズマを用いると, パウダーとモノマー水溶液との親和性が向上し, 良好に分散した状態で重合反応が進行し, 均一な処理が実現できた。SEM観察の結果, HEMAをグラフト重合させたパウダー粒子はHEMAの重合体によって完全に覆われており, 粒子表面が均一にコーティングされているのが確認された。

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