1999 年 72 巻 7 号 p. 421-425
光触媒酸化チタンを分散させたケイ酸ナトリウム水溶液とヘキサンによるW/0型エマルションと・アンモニウム塩水溶液との界面反応を利用して光触媒酸化チタンを内包したマイクロカプセルとそれを配合したウレタン塗膜を調製し, それらのアセトアルデヒド光分解に及ぼす影響を検討した。アンモニウム塩を変えることにより粒子の細孔径や比表面積を変化させ, 5μmのマイクロカプセルに5~30%内包させた・マイクロカプセルはその比表面積, 細孔径や酸化チタン担持量に依存したアセトアルデヒド分解能を示さなかった。理由としてマイクロカプセル内の酸化チタン粒子の二次凝集が考えられた。マイクロカプセルを配合したウレタン塗膜はマイクロカプセル配合量に依存したアセトアルデヒド分解能を示した。このとき酸化チタン単体を配合した塗膜が顕著な黄変を示したのに対して, マイクロカプセルを配合したものはわずかな変化しか示さず, 塗膜の劣化を抑制していることが明らかとなった。