色材協会誌
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クロスフローろ過技術を用いた分散液の分級
岡本 康雄
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2002 年 75 巻 12 号 p. 568-572

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抄録

近年, 顔料分散インクを始めとする様々な分散液の分級処理の要求が増えつつある。そこで今回平均粒径0.1μm程度の顔料分散インクを用いて “ポール・TFF (tangential flow filtration) 膜カセット” によりクロスフローろ過を行い, 顔料粒子のフィルター通過率特性評価, および分級への適用性について検討した。fluxは0.80, 0.65μmカセット共にTMP (transmembrane pressure) 0.05MPa程度で限界流速を示し, またCFF (cross-flow flux rate) を1.0L/minから2.0L/minに上げることにより, fluxは3割程度増加した。顔料粒子の通過率は, 0.80, 0.65μmカセット共にTMP, CFFの条件を変えることにより変化することが確認された。本研究よりクロスフローろ過で, 目詰まりを起こすことなく, 粒度分布を変える分級処理を行う見通しができた。

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