2003 年 76 巻 10 号 p. 380-384
口紅などの基剤であるオイルワックスゲルの硬度制御を目的に, 分岐パラフィンワックスと直鎖パラフィンワックスを混合した場合のゲル状態について検討をおこなった。
直鎖ワックス (nC32) に対して分岐パラフィンワックス (tBu-PE) を5-20wt%添加すると, 顕著にオイルワックスゲルの硬度が上昇した。この混合比率の領域ではnC32とtBu-PEは均一な結晶相を形成しており, また結晶の形状は平滑な板状結晶であるnC32やtBu-PEとは異なり反った板状であった。
nC32とtBu-PEの混合ゲルは同程度の硬度のnC32のみのゲルにくらべて, 荷重に対する内部構造の変化が小さい, つまり破損がおこりにくい性質を示した。