2005 年 78 巻 3 号 p. 122-124
ネオジムイソプロポキシドおよびイッテルビウムイソプロポキシドと1, 4-ヒドロキノンとの反応により, ネオジムーフェニレンーイッテルビウム三元構造を有する濃緑色のハイブリッド共重合体を合成した。生成物の電子物性を検討するためにESRスペクトルの測定を行ったところ, 337mT付近 (g=2. 003) に有機ラジカル種に由来するシグナルが観測され, そのシグナル強度は, ネオジムあるいはイッテルビウムのみによって構成した単一金属共重合体と比較して高くあらわれ, 有機基からネオジムを介してイッテルビウムへの電子移動が生じていることが明らかとなった。