神経眼科
Online ISSN : 2188-2002
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原著
MRI heavy T2強調画像を用いた片側顔面痙攣の病因血管についての検討
小林 俊策原 雄時五十嵐 正史鈴木 利根町田 繁樹
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ジャーナル 認証あり

2017 年 34 巻 3 号 p. 300-

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抄録

片側顔面痙攣は血管圧迫による原発性と続発性に分けられる.原発性の圧迫血管には前下小脳動脈(AICA)や後下小脳動脈(PICA)などが知られている.今回,片側顔面痙攣患者21例の横断像および冠状断像のMRI heavy T2強調画像を撮影し,圧迫の原因血管の種類および圧迫方向を三次元的に解析し,圧迫所見と臨床症状の関係を検討した.その結果,患側の91%で顔面神経が小脳橋角槽で圧迫されていた.原因血管については,AICAが9側と最も多く,PICAが6側であった.さらに,顔面神経への下方からの圧迫が,片側顔面痙攣の発症に強く関与していた.MRIでの圧迫所見が,健側の顔面神経の40%にも認められた.

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© 2017 日本神経眼科学会
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