2024 年 2 巻 p. 37-46
日本で1985年に格付会社がスタートして約40年になる。当初、格付制度の導入に消極的であった日本の大手銀行は、格付け制度の導入が現実のものになると格付会社の主要株主になり多くのアナリストを派遣して日本的色彩の強い格付会社をスタートさせた。現在、日系2社/米系3社の格付会社が活動しているが、日本企業の中・長期資金調達(残高ベース)は銀行8割、社債2割の状況にあり、社債の格付けを行う格付会社の情報が「情報の非対称性の除去」等にどの程度の役割を果たしているか等についての実証分析も少ない状況にある。