心臓
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症例
CPAの原因として多枝冠攣縮の関与が考えられた急性前壁梗塞の1例
新居 秀郎我妻 賢司鈴木 健也内田 靖人天野 英夫戸田 幹人山崎 純一
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2009 年 41 巻 12 号 p. 1361-1365

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抄録

症例は60歳,男性.2008年6月に職場でCPAとなり,バイスタンダーCPR下に当院搬送.自己心拍再開し,心電図上V1~2にST上昇,V2~6に陰性T波を認めたため緊急冠動脈造影を施行.左冠状動脈前下行枝seg 7および左冠動脈回旋枝seg 13に完全閉塞を認めた.梗塞責任病変はseg 7と考えIABP挿入後にPCI開始した.しかしLCAにISDN 1mgを投与後,seg 7,seg 13ともに50~75%狭窄が残存するもののTIMI 3の再灌流を認めた.seg 7はhaziness所見を認め,心電図変化と臨床経過を考慮し当初の予定通りPCIを行いLiberte 3.0/24mmを留置した.今回われわれはCPAの原因として多枝冠攣縮の関与が強く疑われた急性前壁梗塞の1例を経験し,また多枝同時冠攣縮および冠拡張薬投与による同時解除を造影にて確認できたため報告する.

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© 2009 公益財団法人 日本心臓財団
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