心臓
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スポーツと循環器疾患:Sports Cardiologyのすゝめ 企画:島田和典(順天堂大学医学部 循環器内科学講座)
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[臨床研究]
  • 浪打 成人, 砂村 慎一郎, 牛込 亮一, 野田 一樹, 瀧井 暢
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 52 巻 4 号 p. 398-404
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2021/04/24
    ジャーナル フリー

     背景:心筋梗塞のUniversal definitionは2012年に第3版,2018年には第4版に改訂され,欧米の臨床研究で用いられている診断基準である.Type 1心筋梗塞は動脈硬化性プラーク破綻と血栓形成で定義され,Type 2心筋梗塞は酸素供給と需要のインバランスを原因とすると定義され,冠攣縮や冠解離,冠塞栓などが含まれる.Type 1心筋梗塞に比較してType 2心筋梗塞の予後が不良であることが報告されているが,日本からの同様の報告はない.Type別の心筋梗塞の院内予後および長期予後について調査した.

     方法:2012年から2017年までに当院で加療したThird universal definitionにより定義された初回心筋梗塞連続591症例のうち,冠動脈造影で判定したType 1心筋梗塞481症例とType 2心筋梗塞72症例を対象とし,患者背景・臨床経過・院内予後・長期予後を比較した.

     結果:Type 2心筋梗塞には冠攣縮63症例,冠塞栓6症例,特発性冠動脈解離3症例が含まれていた.Type 2心筋梗塞症例はType 1心筋梗塞症例に比較して若年で冠危険因子の罹患率が低く,来院時の重篤度は軽く,peak CK値は低く,院内死亡率は低い傾向にあった.しかし平均561日の観察期間で主要有害心イベント(全死亡・急性冠症候群発症・心不全入院)についてType 1とType 2心筋梗塞症例に差を認めなかった.

     結論:冠動脈造影により評価されたType 1とType 2心筋梗塞症例の予後は同等であった.

  • 足達 宣, 宮崎 元康, 山本 智彦, 衛藤 聡, 岡村 圭祐, 浦田 秀則, 井本 公重, 眞島 健吉, 安藤 真一, 門上 俊明, 松崎 ...
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 52 巻 4 号 p. 405-413
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2021/04/24
    ジャーナル フリー

     非弁膜症性心房細動と診断され,リバーロキサバンを新規服用する患者108名を対象に前向きに同薬のアドヒアランスと治療満足度を評価した.リバーロキサバン服用開始後,1,6,12カ月目にMorisky Medical Adherence Scale:MMAS-8,Anti-Clot Treatment Scale:ACTSによるアンケートを実施した.12カ月目まで回答が得られたのは42名で平均年齢は77歳,男性が48%であった.全体のMMASは1カ月目から12カ月目で7.0から6.8とやや低下し,ACTSは67から67と維持された.12カ月目のMMAS6以上を高アドヒアランス群(n=32),6未満を低アドヒアランス群(n=10)とし,2群間で比較した.高アドヒアランス群のMMASは1カ月目から12カ月目で7.5から7.5と維持され,低アドヒアランス群では5から4と低下した.低下量は高アドヒアランス群と低アドヒアランス群でそれぞれ0.01,0.65と低アドヒアランス群で有意に大きかった(p=0.04).高アドヒアランス群と低アドヒアランス群で1年後のACTSは68と62.8で,高アドヒアランス群で有意に高値であった(p=0.038).MMAS-8とACTSの間で正の相関(p<0.05,r=0.336)を認めた.リバーロキサバン療法の良好なアドヒアランスと治療満足度を認めた.

Editorial Comment
[症例]
  • 嶋本 光兵, 黒木 識敬, 油井 慶晃, 安倍 大輔, 鈴木 紅
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 52 巻 4 号 p. 415-421
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2021/04/24
    ジャーナル フリー

     症例は53歳男性.身長176 cm,体重67 kg,BMI 21.63で,脂質異常症を過去に指摘されたことがある.心疾患や突然死の家族歴はない.喫煙歴はなく,飲酒は月に数回程度.30年以上前からランニングを行っており,月に150 km走ることを習慣にしているが,過去に胸部症状の自覚はなかった.今回,十分な睡眠がとれていない状態でハーフマラソンに参加し,21.1 km完走.ゴール直後に前駆症状なく卒倒した.スポーツドクターによる迅速な心肺蘇生の後,自動体外式除細動器により除細動を施行され自己心拍再開となり,精査加療目的に当院循環器内科に入院となった.入院後のアセチルコリン負荷試験で右冠動脈にアセチルコリン20 μgを注入したところ,心窩部痛が出現した.12誘導心電図ではⅡ,Ⅲ,aVFでSTの上昇がみられ,右冠動脈は枯れ枝状のびまん性狭窄をきたしたため,冠攣縮性狭心症の診断となった.本症例は,無症状で経過し運動後の院外心停止を初発症状とする冠攣縮性狭心症の1例であり,未然に防ぐことが困難であったと考えられた.無症候性心筋虚血をきたし致死性不整脈を発症する例もあることから,マラソン大会における迅速な救護体制の整備だけでなく,冠攣縮の予防のためにも参加者に対する事前のリスク評価を行うことが重要である.

Editorial Comment
[症例]
  • 木津 謙也, 竹林 聡, 森田 雅人, 辛島 千尋, 藤本 書生, 宮本 伸二
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 52 巻 4 号 p. 423-427
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2021/04/24
    ジャーナル フリー

     49歳女性.主訴は労作時息切れ,動悸.40歳時に巨大卵巣腫瘍加療中に下肢深部静脈血栓を認め,下大静脈フィルター留置も右房に迷入した.フィルター抜去不成功も合併症なく経過観察とした.3年間外来受診していたが以降未受診であった.2018年4月より息切れ,動悸を自覚.6月下旬より増悪し当院受診.CTで右房,右室内にフィルター片,心臓超音波検査でバルサルバ無冠尖洞から右房へのジェットと高度三尖弁閉鎖不全症を認め7月中旬に手術を施行した.術中所見で右房内に破損フィルターが高度に癒着し,一部壁外穿通していた.さらに一部先端がバルサルバ洞を貫通していた.三尖弁前尖に大きな欠損孔を認めた.右室内フィルター片は摘出困難であった.体外循環下に右房内残存フィルター摘除+バルサルバ洞穿孔部パッチ閉鎖+三尖弁形成術し,術後13日目に自宅退院した.下大静脈フィルター心内迷入9年後の合併症に対し,外科的治療で良好な経過を得た非常に稀な1例であった.

Editorial Comment
[症例]
Editorial Comment
[症例]
  • 石橋 峻, 中村 智弘, 矢那瀬 智信, 原口 裕美子, 伊藤 みゆき, 松本 充也, 石田 岳史
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 52 巻 4 号 p. 438-443
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2021/04/24
    ジャーナル フリー

     症例は47歳男性.既往はアトピー性皮膚炎以外に特記すべき事項なし.受診1カ月前からの労作時呼吸困難,両下腿浮腫を主訴に来院し,うっ血性心不全のため入院した.心臓超音波検査では左室のびまん性壁運動低下を認め,左室駆出率は45%程度であった.血液検査よりバセドウ病の合併が示唆された.抗甲状腺薬,β遮断薬,利尿薬による治療を開始し,甲状腺機能,心不全症状は改善した.心臓MRIは心尖部を中心に心外膜側優位に遅延造影を認めた.心筋生検所見では心筋細胞への近接効果を伴うリンパ球浸潤を認めた.バセドウ病を合併した左室収縮能低下を伴う心不全症例の原因は,頻脈性心筋症,自己免疫性心筋炎,甲状腺ホルモンによる心筋障害などがあげられる.本症例は様々な要因の関与が疑われたが,心筋生検にて心筋周囲へのリンパ球の浸潤が確認され,リンパ球性心筋炎の可能性が示唆された.

  • 宮本 翔伍, 杉野 浩, 重原 幹生, 兵頭 洋平, 下永 貴司, 木下 晴之, 市川 織絵, 岡 俊治
    原稿種別: 症例報告
    2020 年 52 巻 4 号 p. 444-451
    発行日: 2020/04/15
    公開日: 2021/04/24
    ジャーナル フリー

     症例は21歳男性.就寝前に突然の胸痛を自覚し,当院を受診.来院時は明らかな心電図変化を認めなかったが,症状残存を認めたため経過観察目的に入院となった.その後胸部症状は消失したものの,翌夕方に再度突然の胸痛を認め,心電図にて下壁誘導の著明なST上昇を認めた.心臓超音波検査では下壁の壁運動低下を認め,急性下壁心筋梗塞が疑われたため,冠動脈評価のため緊急冠動脈造影を施行したが,有意狭窄を認めなかった.ニトログリセリン・ニコランジル冠注にてST変化は少しずつ改善を認めた.同時に施行した左室造影では下壁から心尖部にかけて壁運動低下を認め,たこつぼ症候群も否定できない所見であった.ニコランジル持続静注と硝酸イソソルビド貼付剤にて経過観察したが,翌朝再度心電図でST上昇を伴う胸痛発作を認めた.ジルチアゼム塩酸塩投与後は症状は軽快した.冠攣縮性狭心症と診断して同日よりカルシウム拮抗薬の内服を開始し,その後胸痛発作なく経過された.状態が落ち着いた段階でカルシウム拮抗薬内服下での冠攣縮誘発を行ったが,攣縮は誘発されなかった.たこつぼ症候群合併の可能性も考慮して二核種シンチグラフィも施行したが,たこつぼ症候群は否定的と判断した.退院後,現在まで胸痛の再発は認めていない.

     若年の冠攣縮性狭心症は非常に稀であるため,若干の文献的考察を踏まえて報告する.

Editorial Comment
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