心臓
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第23回 心臓性急死研究会
安全なロードレースを目指して
—日本陸連医事委員会の取り組み
真鍋 知宏山澤 文裕
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2011 年 43 巻 SUPPL.2 号 p. S2_198-S2_203

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抄録
日本国内では, 1年間に2,000以上の市民マラソン· ロードレースが開催されている. 日頃のランニングやジョギングの成果を発揮しようとして, 全国各地で行われる市民マラソン大会には多くの参加者が集まっている. 市民ランナーに対するメディカルチェックは, 現時点においては十分に行われておらず, 走行中に心肺停止を生じることも稀ではない. また, 救護体制は主催者によってまちまちであり, AEDが適切に配備されたロードレースにおいては, 心肺停止者が救命される事例をマスコミ報道などで知ることができる. 一方で公表されない死亡事例も存在しており, その情報を入手するのも容易ではない. ある程度は, マスコミ報道からの情報収集が可能であるが, 病状などの詳細についてはデータとしてまとめられることはなかった. ロードレース中の安全を確保する観点からは, 個別の事例を検討して, 今後の予防に対して活用することが重要である. 日本陸上競技連盟医事委員会では, 陸連, 地方陸上競技協会が主催, 主管しているロードレースにおいて, その救護体制と傷病者数を把握するシステムを構築しようとしている. 現状と今後の課題について報告する.
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© 2011 公益財団法人 日本心臓財団
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