心臓
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第23回 心臓性急死研究会
自動体外式除細動器(AED)が使用され集中治療を受けた連続26例の予後と蘇生後脳症の評価
米良 尚晃池田 隆徳星田 京子柳澤 亮爾宮越 睦三輪 陽介阿部 敦子石黒 晴久塚田 雄大柚須 悟吉野 秀朗山口 芳裕
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2011 年 43 巻 SUPPL.2 号 p. S2_92-S2_96

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抄録
近年, 自動体外式除細動器(automated external defibrillator; AED)の使用によって院外心停止患者の救命率が上昇している. 一方で, 除細動に成功した患者の心停止後症候群(post-cardiac arrest syndrome; PCAS)の問題が浮上している. 院外でAEDによる除細動が行われ, CCUで加療を受けた連続26例の予後と蘇生後脳症が評価された. AEDは, 現場(一般市民) 5例, 救急車内(救急隊) 16例, 他院(医師) 5例で使用されていた. AEDで除細動に成功したのは20例(77%)で, 残りの6例は搬送後の2次救命処置で除細動された. 院内死亡は4例(15%)で認められ, このうちの3例はAED不成功例であった. AED除細動後に意識障害を呈したのは13例(50%)であった. このうち12例(46%)で低体温療法が行われたが, 3例(全体の12%)では重度の蘇生後脳症が残存した. 低体温療法などの積極的なPCASに対する治療を行っても, AED使用患者では最終的に死亡もしくは重度の蘇生後脳症に至るのが27%いることが示された. 迅速なAED使用とPCAS治療法の確立が望まれる.
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© 2011 公益財団法人 日本心臓財団
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