心臓
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症例
右房造影にて右左シャントを確認できたplatypneaorthodeoxia syndromeの1例
河合 俊輔鈴木 順阿部 秀年上小澤 護
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2013 年 45 巻 6 号 p. 680-684

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抄録
症例は,86歳,男性.76歳時に大動脈弁閉鎖不全症に対し生体弁置換術施行.悪寒・呼吸困難を主訴に他院入院.細菌感染症の疑いで抗生物質加療中に脳梗塞発症し感染性心内膜炎が疑われたため,当院紹介.心エコーでは所見に乏しかったが,体位変換でSpO2低下を認めた.経食道心エコーで心房中隔の奇異性運動を認め,コントラストエコー法でも右左シャントを確認したが,心房中隔欠損症は確認できなかった.CTで上行大動脈拡大による右房圧排所見を認めたため,大動脈圧排により右房圧高値になっていると予測し心臓カテーテル検査施行.右房造影で卵円孔開存を認め,QP/QS 0.92,右左シャント率18.4%.仰臥位で右房圧5mmHg,90°座位で26mmHgと上昇を確認し,座位でシャント量が増強することが予想された.卵円孔開存によるplatypnea-orthodeoxia syndromeと診断し得た1例を経験したので報告する.
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© 2013 公益財団法人 日本心臓財団
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