心臓
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第25回 臨床不整脈研究会
エプレレノンによる心房細動発症抑制効果についての検討
川崎 真佐登山田 貴久森田 孝古川 善郎岩崎 祐介菊池 篤志内藤 尚藤本 忠男小津 賢太郎近藤 匠巳仙石 薫子山本 泰士河合 努高橋 怜嗣福並 正剛
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2013 年 45 巻 SUPPL.3 号 p. S3_53

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抄録
 目的 : EMPHASIS-HF研究で認められたエプレレノンによる心房細動発症抑制効果の機序をP波加算心電図により得られる心房遅延電位指標 (フィルター化P波持続時間 ; A-d) を用いて電気生理学的側面より検討した.  方法 : 高血圧管理目標が未達成の患者を無作為割り付けし, 管理目標を達成するようアムロジピンまたはエプレレノンを投与し追跡した. 6カ月間追跡できた17例を対象に試験前と 6カ月時にP波加算心電図を記録しA-dを評価した.  結果 : A-dはアムロジピン群では延長, エプレレノン群では短縮した (129± 9 to 132± 9 ms vs 146±29 to 140±15ms, ANOVA p=0.051) . これらの結果は血清線維化指標 (PINP, PⅢP) の変化と同様であった.  総括 : A-dは線維化の程度を反映していることより, エプレレノンは心房の線維化を軽減することにより心房細動発症抑制に寄与している可能性が示唆された.
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© 2013 公益財団法人 日本心臓財団
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