2014 年 46 巻 1 号 p. 105-112
症例 : 29歳, 男性, 主訴 ; 労作性胸痛. 11カ月前に下壁梗塞の既往あり. 右冠動脈病変#3 99%に対し近位側に金属ステント (Liberté® 4.0×28mm), 末梢側に薬剤溶出ステント (TAXUS® 3.0×20mm) を留置されている. 冠動脈造影では以前留置した2 個のステントのギャップに90%狭窄を認めステント再狭窄と診断した. ダイレクトステントにより, 薬剤溶出ステント (drug eluting stent ; DES) を留置したところ急性冠閉塞を発症. 動脈硬化粥腫内容物の圧出による末梢閉塞と考え, 血栓吸引, バルーン拡張を試みたが改善なし. 血管内超音波 (intravascular ultrasound ; IVUS) の観察により遠位側に留置されているステントのストラット外側からのガイドワイヤーの迷入, 新たなステントの追加留置によるステントの不完全拡張, 遠位側のステントの変形および病変部の粥腫内容物の流出により急性冠閉塞をきたしたと判明した. IVUSにより病態を把握後, バルーン拡張を追加しbail outに成功した.