心臓
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第26回 心臓性急死研究会
心室細動によりCPAとなった家族性冠攣縮性狭心症の1例
宝田 顕五関 喜成矢崎 義直山科 章
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2014 年 46 巻 SUPPL.2 号 p. S2_5

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抄録
 症例は16歳, 女性. 実父が冠攣縮性狭心症と診断されている. 2013年3月学校内で部活の練習後に突然心配停止となり, 当院ERに搬送された. 救急隊現着時には心室細動でありAEDが作動, 直後心停止となるも社内で自己心拍再開した. 入院後より直ちに低体温療法を導入, 復温後リハビリにて高次機能障害が徐々に改善した. 洞調律時の12誘導心電図にて前胸部誘導の陰性T波, 心エコーでは壁運動異常を認め, 心筋脂肪酸代謝シンチでは左前下行枝, 対角枝および回旋枝領域の代謝障害を呈した. 冠動脈造影にて器質性病変は指摘されないものの, アセチルコリン負荷試験では3枝に心電図変化を伴う瀰慢性の血管攣縮が誘発された. 電気生理学的検査ではVTやVFは誘発されず, ピルジカイニド負荷試験も正常であった. 以上より家族性の冠攣縮性狭心症が誘因となった若年発症のCPA症例と考えられ, 貴重な1例として報告する.
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© 2014 公益財団法人 日本心臓財団
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