心臓
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[症例]
急激に僧帽弁逆流が進行した二次孔心房中隔欠損の1例
星野 真介谷口 由紀津田 悦子北野 正尚山田 修古川 央樹宗村 純平中川 雅生西島 節子
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2015 年 47 巻 5 号 p. 584-590

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抄録
 二次孔心房中隔欠損 (atrial septal defect ; ASD) に合併した僧帽弁逆流 (MR) が急激に進行し, 心不全をきたした症例を経験した. 症例は10歳女児. 5歳時に心雑音を指摘され, 近医を受診してASD, 軽度のMRと診断された. ASDに対してカテーテル治療を希望し, 至適体重まで待機中に, 経済的理由により病院を受診しなかった. 10歳で, 全身倦怠感, 起坐呼吸が出現し, 胸部X線写真では, 心胸郭比が80%と心拡大を認め, 心臓カテーテル検査では, 肺体血流比は5.1で, 重度のMRと肺高血圧を認めた. 外科的にASD閉鎖術および僧帽弁人工弁置換術を施行した. ASD症例で稀ながらMRが進行する場合があり注意が必要である.
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© 2015 公益財団法人 日本心臓財団
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