心臓
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第27回 臨床不整脈研究会
心外膜下の左側副伝導路が疑われた潜在性房室リエントリー性頻拍の1例
山上 文横山 泰廣安達 亨西 裕太郎丹羽 公一郎塩島 功一郎
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2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_50-S2_54

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抄録

 症例は21歳, 男性. 動悸発作精査のため電気生理学的検査を行い, 左側側壁の潜在性副伝導路を逆伝導し, 房室結節を順伝導する房室リエントリー性頻拍と診断した. 心室ペーシング下に左房側から僧帽弁上アプローチで室房伝導の最早期部位をイリゲーションカテーテルで18回アブレーションを行ったが, 不成功であった. そこで, その対側にあたる冠静脈洞内の心室側からのアブレーションを行い, 副伝導路の離断に成功した. 本症例の左側副伝導路は心外膜下を走行しており, 冠静脈洞内からのイリゲーションカテーテルを用いたアブレーションにより副伝導路の心室端が離断されたと考えられた. 心内膜側からのアブレーションが無効な左側副伝導路症例に対して, 冠静脈洞内からのイリゲーションカテーテルによるアブレーションは検討すべき方法と考えられる.

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© 2015 公益財団法人 日本心臓財団
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