心臓
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[症例]
ANCA関連血管炎に伴う冠動脈病変の形態的変化を, 免疫抑制療法導入前後で経時的に観察し得た1例
梅井 正彦岸 幹夫佐藤 高栄勝然 進豊田 真之横山 正明亀田 良松下 匡史郎大西 哲山崎 正雄
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2016 年 48 巻 4 号 p. 448-454

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抄録

 54歳女性. 2007年に巨大子宮筋腫に伴う呼吸困難にて入院した際に, 心不全, ネフローゼ症候群を併発した. 各種自己抗体陽性のため膠原病が示唆されていたが臨床症状に乏しく診断未確定であった. 精査目的の冠動脈カテーテル検査にて2枝病変を認めていたが患者希望で薬物治療継続となっていた. 2009年腎機能の増悪を認め, MPO-ANCAが強陽性であったことからANCA関連血管炎に伴う急速進行性糸球体腎炎の診断となり, ステロイドパルスおよび後療法開始となった. その後ステロイドおよび免疫抑制薬内服に伴い徐々に腎機能の改善, 尿蛋白の減少を認めたため2014年再度追跡目的の冠動脈造影検査を施行した. 前回認めていた冠動脈病変は, 瘤状変化がみられたがいずれも狭窄度の改善を認めていた. 免疫抑制療法前後において運動負荷試験・冠動脈病変・心エコー検査での壁運動のいずれも改善を認めており, 免疫抑制療法が著効したと考えられた. 今回, ANCA関連血管炎に伴う冠動脈狭窄を免疫抑制療法の前後で経時的に観察し得た症例を経験したため, 文献的考察を含め, ここに報告する.

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© 2016 公益財団法人 日本心臓財団
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