心臓
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[症例]
石灰化を伴う右冠動脈病変に対しロータブレーターを施行したところ, バーとドライブシャフトが離断した症例
米澤 泰石村 公彦菅原 里恵杉山 史弘武島 宏小口 渉柴田 佳優福嶋 博道本多 勇晴八木 博堀中 繁夫石光 俊彦
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2016 年 48 巻 7 号 p. 748-752

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抄録

 冠動脈の高度石灰化病変に対してロータブレーターは有効とされるが, 機械的故障が生じることも報告されている. 今回われわれは, ロータブレーターのバーとドライブシャフトが離断した症例を経験した. 症例は68歳男性. 狭心症と診断され, 右冠動脈の高度石灰化病変に対してロータブレーターによるアテレクトミーを施行した. 繰り返すアブレーション中に一度は病変を通過したものの, その後のアブレーションでバーとドライブシャフトが離断した. 取り残されたバーはスネアを使用して回収できた. バーとドライブシャフトの離断については, これまで報告は少ない. また, 今回はスタックした状態でアブレーションを施行していないにもかかわらず離断した. ロータブレーター施行時には離断の可能性を考えて, 術者が回収方法を習得しておくことが重要と考えられた.

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© 2016 公益財団法人 日本心臓財団
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