心臓
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[症例]
右冠動脈を責任病変とする急性心筋梗塞に心室中隔穿孔を合併した1例
沼田 るり子内田 靖人新居 秀郎榎本 強志我妻 賢司小関 迪
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2019 年 51 巻 5 号 p. 527-533

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抄録

 症例は糖尿病,高血圧,脂質異常症を既往にもつ60歳台女性.2017年9月X日就寝中に前胸部痛が出現した.症状出現から2日後に前医を受診し,心電図で完全房室ブロック,Ⅱ・Ⅲ・aVFでST上昇を認め,急性心筋梗塞の疑いで当院に救急搬送された.緊急冠動脈造影にて右冠動脈#2の完全閉塞を認め,引き続き同部位に対し経皮的冠動脈形成術を施行し,第3世代薬剤溶出型ステントを留置して,最終的にTIMI 2の再灌流を得てICUに帰室した.帰室後7時間後から血圧低下が進行し心原性ショックに陥り,経胸壁心臓超音波で心室中隔基部後壁寄りに穿孔および左右シャントを認めた.外科的治療を行う方針となりIABPを挿入したが,心原性ショックによる循環不全が急速に進行し同日中に死亡に至った.右冠動脈一枝を責任病変とする急性心筋梗塞に心室中隔穿孔を合併する症例は稀であるため文献的考察を含め報告する.

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