心臓
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[症例]
Electrical stormの治療に難渋し,その背景にPVODの関与が考えられた1例
鈴木 高明田部井 史子関 光里石井 聡滝口 洋松岡 亮杉下 靖之山下 尋史伊藤 敦彦笠原 勝彦川崎 暁生岡 輝明
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2021 年 53 巻 1 号 p. 101-107

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抄録

 症例は50歳代男性.下肢浮腫と歩行時息切れを主訴に受診.陳旧性広範囲前壁梗塞による低左心機能(EF21%)が原因のうっ血性心不全と診断し,入院下に利尿薬にて治療を開始した.しかし第6病日に難治性心室細動(VFstorm)を発症.冠動脈造影検査では左前下行枝の近位部から完全閉塞を認め,大動脈内バルーンパンピング(IABP)・経皮的心肺補助(PCPS)を導入し,第11病日に冠動脈バイパス術(LITA-LAD)・CRT-D埋め込み術を施行した.その後も難治性心室頻拍・心室細動(VT/VFstorm)が再発するためアブレーション治療を施行したが,再発を繰り返し第34病日に死亡した.初回急変後の右心カテーテル検査では肺動脈性肺高血圧症(PAH)が疑われる所見であり(平均肺動脈圧27 mmHg,平均肺動脈楔入圧8 mmHg),一貫して肺高血圧(PH)に伴う右心不全の合併により循環動態の管理に難渋した.剖検では,予想していた肺動脈のリモデリングはごくわずかであり,むしろ肺静脈の内膜線維性肥厚が明らかであり肺静脈閉塞症(PVOD)の所見であった.不整脈・心不全治療に難渋した背景に,虚血性心疾患とは別に,稀な病態であるPVODが関与していた可能性がありここに報告する.

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