心臓
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[症例]
単純CTがST上昇型心筋梗塞の責任病変の同定に有用であった1例
池江 隆志川上 将司稲永 慶太井上 修二朗
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2021 年 53 巻 12 号 p. 1315-1320

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抄録

 70歳代男性.心窩部痛を訴え前医を受診した.胸腹部単純CTで明らかな原因を同定できず,続いて施行された心電図でST上昇を指摘され当院へ搬送された.症状は持続し,心電図でのⅠ・aVL・V4-6誘導のST上昇とエコーでの側壁の壁運動低下からST上昇型心筋梗塞と診断し,緊急冠動脈造影を施行した.側壁領域は無血管域であったが,複数の角度からの造影を行っても梗塞責任血管は同定できなかった.この時点で前医で施行された単純CT画像で冠動脈の走行を確認したところ,前下行枝近位部から分岐する,起始部に石灰化を伴う対角枝が冠動脈造影で同定できていないことが判明した.CT所見を参考に同部位へガイドワイヤを通過させ,再灌流に成功した.通常,冠動脈評価には用いられない胸部単純CTが心筋梗塞の責任病変の同定に役立った1例を経験したため報告する.

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