心臓
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[臨床研究]
当院過去11年間における冠動脈インターベンション中に発生した冠動脈穿孔例の検討
福田 優人西堀 祥晴芳川 史嗣髙橋 怜嗣飯尾 千春子高田 昌紀藤田 幸一丸山 貴生
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キーワード: 冠動脈穿孔, PCI 合併症
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2023 年 55 巻 11 号 p. 1081-1088

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抄録

 第2世代薬剤溶出性ステントの登場により冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention;PCI)は成熟期に入った.PCI合併症のひとつである冠動脈穿孔(coronary artery perforation;CAP)は,発生頻度は少ないものの,迅速かつ適切な対応を要求される重篤なPCI合併症である.今回,PCI成熟期の2011年から2021年までの間に当院で経験したCAPを後方視的に検討した.対象期間の総PCI数は3,557例,うちCAPを7例(0.2%)に認めた.発生原因はステント後拡張が4例と最多であった.Ellis分類ではtype Ⅱが4例,type Ⅲが3例で,type Ⅲの2例は経カテーテル的に止血困難であったため,開胸手術を要した.CAPはPCI成熟期においても生じうる合併症であり,平時よりCAPに備え,ステントグラフト等のデバイスの準備や対処法について熟知しておくことが重要である.

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