心臓
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臨床 複雑心奇形に対する Rastelli 手術の検討
赤川 治夫石野 哲哉相良 泰至畑島 陽田尻 敏行御木 高志豊増 弘幸藤岡 康彦小須賀 健一高木 博己大石 喜六古賀 道弘加藤 裕久
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1978 年 10 巻 1 号 p. 32-41

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抄録
われわれの教室では,1972年7月~1977年4月までに7例のRastelli手術を経験した.手術時年齢は4歳11カ月~6歳1ヵ月で,Truncus II型,TGA II型Pseudotruncus,とDORV+PSの各1例,計4例の生存例を得たが,Pseadetruncus,Truncus IV型(solitary aortic trunk),TGA III型の各1例,計3例を失った.右室・肺動脈間のjumping graftには,はじめの6例にホルマリン処理弁付き同種肺動脈を,最近の1例にHancock Conduitを使用し,心内トンネルには,左室流出路狭窄を防止するためにテフロン人工血管を用いた.
修復後のRV/LV(Ao)収縮期圧比が高い症例の予後・経過は不良で,特に1.20を越えた2症例はともに失った.
本文では自験症例の問題点を検討し,若干の文献的考察を加え,最後に術後のfollow upに高速度心断層エコーグラムの有用性につき述べた.
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