心臓
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臨床 チアノーゼ性心疾患に対する術前冠状動脈造影とその外科的意義
城間 賢二須磨 幸蔵竹内 靖夫辻 隆之井上 健治徳地 孝一小山 雄二吉川 哲夫成味 純落 雅美小林 洋金子 秀実木口 博之浅井 利夫草川 三治
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1979 年 11 巻 7 号 p. 701-707

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抄録

複雑心奇型に対する根治手術が増加するにつれ,その詳細な解剖学的把握が重要となってきた.その1つに冠状動脈の走行異常がある.これまでにも術中発見した例や,剖検心における報告がなされてきたが,術前に冠状動脈走行異常を検索した例は少ない.われわれは昭和49年よりチアノーゼ性心疾患に対し,53例に術前大動脈造影を行い,21例に選択的冠状動脈造影を行った結果,高頻度に冠状動脈異常が発見された.また冠状動脈造影は複雑心奇型診断にも,手術法決定にもきわめて有効であった.小児の冠状動脈造影は慎重に行うことにより成人の検査と同程度の安全性をもって行うことができると考える.

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