抄録
生後5時間の女児で,チアノーゼ呼吸障害を主訴として入院した.心エコー検査では Systolic time interval の異なる2コの半月弁が検出されたが,心血管造影では純型肺動脈閉鎖の像を示した.ブロック手術を施行したが穿破感はなく,剖検で肺動脈弁,三尖弁は健常であり,組織所見では先天性肺炎,間質性 fibrosis を呈していた.器質的先天性心疾患と鑑別を要するPersistent fetalcirculation, Transient tricuspid insufficiency,FPAについて文献学的考察を含め報告する.なお,その後ACGでは純型肺動脈弁狭窄が疑われたがプロスタグランディン E1 の使用により臨床症状の改善を示した例を経験したので追記する.