心臓
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臨床 小児期WPW症候群の外科治療
川筋 道雄岩 喬三崎 拓郎小林 弘明岩瀬 孝明麻柄 達夫渡辺 洋宇塩谷 謙二
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1980 年 12 巻 3 号 p. 307-313

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抄録
小児期WPW症候群は発作性上室性頻拍の発生頻度が高く,頻拍発作を繰り返して心不全を呈するのみならず心室細動に移行する危険もある.薬剤抵抗性の1歳10カ月から15歳までのWPW症候群7例(A型3例,B型2例,C型2例)に対して副刺激伝導路切断術を行った.心腔内心電図,心表面マッピング,心内膜マッピングなどの術前,術中電気生理学的検索により副刺激伝導路の部位を決定しこれを切離した.5例で根治し,2例で頻拍発作の軽減をみた.小児期WPW症候群では長期間の薬剤治療は困難であり,また大量薬剤による身体への悪影響が危惧され,副刺激伝導路切断術の手術成績が向上した今日,薬剤抵抗性あるいは内科治療が困難な症例では小児期においても積極的に手術療法を行うべぎと考える.
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© 公益財団法人 日本心臓財団
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