1981 年 13 巻 8 号 p. 961-968
従来,動脈管依存性チアノーゼ心疾患の内科的治療としてProstaglandin E1,E2を非経口的に動脈内や静脈内に持続注入し,動脈管閉鎖を阻止する試みがなされてきた.しかしながら新生児期には長期間の非経口的投与のルートは管理が非常に困難であった.
われわれは3 例の肺動脈閉鎖に対しProstaglandin E2を経口的に与え,PaO2,体温,心拍数,呼吸数を持続的に測定した. その結果, 非経口投与と変わらない効果があり,副作用も少ないことが判明した.また最も有効で,副作用も少ない投与量はProstaglandin E2を1時間毎に500μgずつであると考えられた.
この方法により満足すべき効果が得られるうえ,手技も簡単であり,長期間の投与にも適しているため,非経口投与にとって代わるものと思われた.