心臓
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症例 Wenckebach型房室ブロックから高度房室ブロックへ移行した高齢者の1例
ホルター心電図およびヒス束心電図による検討
張 高明高橋 芳右矢沢 良光筒井 牧子相沢 義房荒井 裕小沢 武文柴田 昭
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1982 年 14 巻 6 号 p. 773-779

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抄録
われわれはWenckebach型房室ブロックから高度房室ブロックへと移行し,繰り返す失神発作と頻回のめまい発作をきたした60歳の男性例を経験した.めまいに一致して,ホルター心電図で4:1ないし5:1の高度房室ブロックがWenckebach型房室ブロックにひきつづき生じていることを確認した.電気生理学的には,高位右房刺激に対して,90回/分の頻度でWenckebach型A-Hブロックをきたし,頻度を増すと2:1A-Hブロックから,2:1と3:1のalternating Wenckebach型ブロックを呈した. この他本症では, きわめて幅の広いH波を認め,ヒス束内ブロックの所見と考えられた.高度房室ブロックに対してペースメーカー植え込みが行われ,自覚症状は消失した.
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