心臓
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症例 血小板減少と血管内溶血を呈した原発性肺高血圧症の1小児例
岡 隆治印鑰 史衛森 善樹伊藤 真也沖 潤一長谷川 浩吉岡 一平田 哲片桐 一
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1984 年 16 巻 6 号 p. 597-603

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抄録

10歳時に心臓カテーテル造影検査にて原発性肺高血圧症と診断した症例が経過中に,血小板減少,血管内溶血などのまれな合併症状を呈し,診断確定後2年8カ月の経過でうっ血性心不全のため死亡した1例を経験した.病理組織学的には,肺小動脈の内膜の肥厚が著明でありPlexiform lesionも認められた.肝臓ではうっ血とグリソン鞘および中心静脈を中心とする線維症を認めた.これまで原発性肺高血圧症に血小板減少症を合併したという報告はあるが,血管内溶血や肝線維症を合併した症例はほとんどなくきわめて貴重な症例と考えられ報告した.

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