心臓
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臨床 狭心症患者の運動耐容能に及ぼすnicorandilの効果
血中濃度との関係について
古川 啓三北村 浩一幸田 正明中川 博昭中西 正樋上 雅一吉賀 正博杉原 洋樹西田 和夫山田 千尋勝目 紘伊地知 浜夫仁木 俊平北村 誠落合 正和
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1985 年 17 巻 1 号 p. 27-32

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抄録
労作性狭心症患者にnicoradil 10mg 経口投与し,運動耐容能に及ぼす影響ならびに血中濃度との相関性につき検討した.本剤投与0.5,3および5時間後のトレッドミル運動負荷試験における運動持続時間は投与前に比較し116~69秒の有意の延長を示した.本剤投与後,安静時ならびに一定の運動負荷時ともにdouble product(DP) は不変であった. 運動終了時におけるDPは有意に増加したが,心電図ST変化には有意差がなかった.これらの耐容能に及ぼす影響は投与5時間後においても明らかに認められたが,一方,血中濃度は0.5時間後にpeakを示し,3時間後には急速に減衰し,5時間後には全例で検出不能で,両者の間には明らかな相関関係はなかった.
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