心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
臨床 スワンガンツ・カテーテルおよび大動脈バルーン・パンピング留置の血小板数に与える影響
武田 康堀田 祐紀田口 富雄
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 31 巻 10 号 p. 705-712

詳細
抄録
Swan-Ganz catheter(S-G)およびintra-aortic balloon pumping(IABP)留置に伴う血小板数減少とカテーテル抜去後の血小板数の回復過程を明らかにすることを目的に, PTCA(balloon angioplastyまたはcoronary stenting) にて再灌流に成功した急性心筋梗塞症例24例での検討を行った.
S-G留置例ではPTCA前値に比しS-G 抜去時で23.7±12,8%血小板数の減少を認めたが,抜去後はすみやかに回復した.カテーテル抜去後平均12.3日で血小板数はPTCA前値の74.2±80.6%にリバウンドし最大値を認め,その後減少し,約2カ月後にはPTCA前値に復した.
S-G およびIABP留置例でもPTCA前値に比して, IABP抜去時25.3±12.0%,S-G抜去時29.3±11.2%の血小板数減少を認めた.抜去後,血小板数は回復し,平均9.7日でPTCA前値の1.56倍にリバウンドした.また,IABPの総駆動回数と血小板減少とは正の相関を認めた.
すなわち,S-GまたはIABP留置により血小板数はPTCA前値に比し23~29%減少したが,カテーテル抜去後,血小板数は上昇し,平均9.2~12.3日でPTCA前値の1.56~1.74倍の増加(リバウンド)を認めた.また,約2,3カ月後には血小板数はPTCA前値となった。
著者関連情報
© 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top