心臓
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症例 妊娠22週に経皮的肺動脈弁形成術を施行した1例
木澤 敏毅阿部 なお美畠山 欣也布施 茂登富田 英
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2002 年 34 巻 6 号 p. 484-487

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抄録

症例は27歳,妊娠22週の初産婦.近医より妊娠20週に当科を紹介され,重症肺動脈弁狭窄の診断にて入院となった.入院の時点でNYHAII度の症状を認め,妊娠の継続・出産により母胎の生命の危険があることが予想されたため,この時期に経皮的肺動脈弁形成術(以下PTPV)を施行することが最適と考えた.被曝防御を厳重に行い,術前の心血管造影は行わず,透視時間を極力短縮して,PTPVを施行した.術後,肺動脈弁狭窄による圧較差は88 mmHgから16mmHgに軽快した.
これ以降妊娠は合併症なく経過し,経膣分娩にて出産した.母子ともに異常を認めなかった.
PS合併妊娠に対しPTPVを施行した症例の報告はまれであり,本症例は貴重な症例と思われたため報告する.

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