心臓
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第14回心臓性急死研究会 心房にcoagulative myocytolysisをみた心房二次中隔全欠損の1例
五十嵐 正樹吉原 克則川崎 宗泰渡辺 義則塩野 則次小山 信彌山崎 純一
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2002 年 34 巻 Supplement3 号 p. 15-18

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抄録

症例は1歳3カ月の女児.生直後より近医で不整脈を指摘,その後心雑音を指摘されたことから,当院紹介入院.入院時診察所見ではII音の固定性分裂,第二肋間胸骨左縁に収縮期駆出性雑音,心尖部に拡張ランブルを聴取した.心電図では徐脈,洞停止等の多彩な不整脈がみられた.心エコー図で心房中隔に12~14mmの欠損口がみられた.術中所見では右心房は拡大し白色で弾性は低下し,二次性中隔全欠損を認めた.術前より洞停止を認めたため,右室前壁に永久的心筋リードを縫着した.術後心電図モニターで約5秒の洞停止がみられ,永久的ペースメーカー(VVI)を植え込んだ.術中切除した右心房の病理組織ではcoagulative myocytolysisを呈し,この所見は突然死例に高率にみられる報告がされている.心房にcoagulative myocytolysisを認めた興味ある心房二次中隔全欠損の1小児例を経験した.

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