心臓
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第14回心臓性急死研究会 蘇生に成功し,心臓カテーテル検査を施行しえた院外性心原性心肺停止(CPA)症例の検討
原田 敬大江 春人
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2002 年 34 巻 Supplement3 号 p. 43-47

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抄録

福岡県北九州市の人口は約100万人で, 年間約600例の院外性心肺停止(CPAOA)が発生する.我々は,このうち年間100~150例のCPAOA患者を経験している.これらの原因を調査したところ,約半数が心疾患で,その多くは冠動脈疾患であった.
平成9年1月からの4年間に,当院救命センターへ搬送されたCPAOA456例(男性279例,平均年齢64歳)のうち,心原性と推定し心拍再開が得られた症例37例に,心臓カテーテル検査を施行した.最終的に非心原性であったもの3例を除外した34例が心原性で,内訳は,冠攣縮4例,冠動脈硬化23例,非冠動脈疾患7例であった.冠動脈硬化症例中,13例にカテーテルインターベンション(PCI)を行った.9例が手技成功し,12例は血行動態が改善した.一枝病変3例,二枝病変1例,冠攀縮2例が生存退院し,冠動脈硬化の2例は完全社会復帰が可能であった.三枝病変と非冠動脈疾患は全例死亡した.
生存・死亡を規定する因子としては,初期調律がVTまたはVfであること,Bystander CPR施行が重要であった.また,成績向上のためには,再灌流時間の短縮,bystander CPR の普及が課題と思われた.

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