心臓
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第15回心臓性急死研究会 ICD(植込み型除細動器)による突然死の予防が困難であった心室細動の1例
安田 正之中里 祐二佐々木 玲聡山下 晴世河野 安伸飯田 洋司中里 馨戸叶 隆司代田 浩之峰田 自章住吉 正孝中田 八洲郎
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2003 年 35 巻 Supplement3 号 p. 28-31

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抄録
症例は14歳,男児.6歳頃より運動中・直後に失神発作を繰り返し,脳波およびECG異常から癲癇発作もしくは心室性不整脈が疑われ,インデラルおよび抗癲癇薬が処方された.9歳時に兄が突然死したが,そのECG所見が本例に類似していたため,精査目的で当院小児科に入院した.運動負荷心電図,心エコー,心筋RI検査,心臓カテーテル検査等では異常を認めなかった.13歳時,発作再発のため当科に入院,加算平均心電図ではlate potential陽性で,電気生理学的検査では洞機能および房室伝導は保たれ,頻脈性不整脈は誘発されなかった.何らかの基礎心疾患に伴う致死性不整脈を否定し得ず,ICDを植込み,β遮断薬を併用した.14歳時,TVゲームで遊戯直後,失神発作を起こし,死亡した.ICDの記録では,心室性期外収縮を契機に心室細動へ移行,計6回の除細動(30J)は無効であった.
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