【症例1】72歳女性,シャワー浴中失神.翌日胸部不快感出現し近医受診,心電図上QT間隔754msと延長し多形性心室頻拍(PVT)を認めた.精査目的にて当院入院.高血圧,高脂血症,徐脈性心房細動のためサイアザイドおよびプロブコール内服.内服中止後もQT間隔が560msと延長していたため電気生理学的検査(EPS)を施行した.ニフェカラント(Nif)を静注したところQT延長からtorsadesde pointes(Tdp)を認めたためICD植込みを施行した.【症例2】48歳女性.会話中失神し救急車にて当院に搬送.到着時CPAで心室細動(Vf)に対し電気的除細動を施行,洞調律時QT間隔が740msと延長していたため一時ペーシングを開始.K1.9mEq/lと低K血症を認め補正した.血清K補正後もQT640msと延長を認めた.冠動脈造影,左室造影は正常.EPS中Nif静注後,QT間隔が100msec以上延長したがVT,Vfは誘発されなかった.洞性徐脈(45-50/min)を常に呈していたため,ICD植込みを施行した.