2005 年 37 巻 11 号 p. 946-950
症例は78歳,女性.特記すべき既往なし.意識が遠くなる感じと,動悸を主訴に近医を受診.同医にてホルター心電図検査を施行,徐脈頻脈型の洞機能不全症候群(Rubenstein III型)と診断され,当院を紹介受診.ペースメーカ植込み手術に際して,右側上大静脈欠損・左上大静脈遺残が判明した.左橈側皮静脈切開法で,左上大静脈/冠静脈洞を経由して,右房外側にscrew-in型心内膜電極リードを挿入した.また,心内膜電極リード周囲の血栓形成予防のため,術後ワルファリンと低用量アスピリン投与を開始した.他の心奇形・内臓奇形を合併しない右側上大静脈欠損はきわめてまれであるので報告する.