2005 年 37 巻 12 号 p. 1036-1040
症例は57歳,男性.2001年3月に初回カテーテルを施行し,冠攣縮性狭心症と左前下行枝の90%狭窄のためにステントを留置した.その後,4回の再狭窄を繰り返し,計8回の冠動脈造影(coronary angiograpy:CAG)や経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention=PCI)を行っている.その後2004年3月に腹痛のため,腹部造影CTを施行したところアナフィラキシー様症状に伴い急性心筋梗塞(acute myocardial infarction:AMI)を発症した.慢性期の9月にガドリニウムMRi用造影剤を用いてCAGを施行したところ,ステントの近位端に100%閉塞病変を認めたため引き続きPCIを施行した.Cypherステントを留置して良好な拡張を得た.
ヨード造影剤に重大な過敏症のある患者にガドリニウム造影剤を用いて安全にPCIを行うことができた.