抄録
目的:日本の現状における心臓性突然死の実態を明らかにし対策を検討する.
対象と方法:2001年1月から2003年12月までに,当院救急センターに搬送された内因性心肺停止患者528人のうち,心臓性突然死(SCD)と診断された患者299人を対象とした.男性198人,女性101人,平均年齢68±13歳である.器質的心疾患(OHD)を持つ症例が110例(37%),器質的心疾患はないが冠動脈危険因子を有する症例79例(26%),医療機関受診歴のない症例110例(37%)であった.OHD群の内訳は虚血性疾患56例(心筋梗塞33例,狭心症23例),非虚血性心疾患54例(原因不明の心不全13例,心臓弁膜症11例,不整脈疾患10例,拡張型心筋症7例,肥大型心筋症7例,先天性心疾患3例,その他3例)であった.SCDの発生場所は222例(74%)が自宅,職場が21例(7%),公共の場所が56例(19%)であり,目撃者のあるSCDは192例であった.目撃者のあった192例中最初の心電図が心室細動(VF)であった症例は68例(35%),Pulseless Electrical Activity(PEA)は44例(23%),心静止(asystole)が80例(42%)であった.一方,目撃者のない症例は107例で,VFは7例(6%),PEA1O例(9%),asystole90例(85%)で,統計学的に有意にasystole症例が多かった.目撃者があり最初の心電図がVFで,直流除細動を行った症例68例中洞調律を回復した症例は14例,PEAとなった症例が7例,VFが停止しなかった症例4例,asystoleとなった症例が43例であった.このなかで蘇生され生存退院できた症例は13例であった.
結語:心原性心肺停止患者の救命率は低い.突然死の予防には心疾患を有する患者だけではなく,健常者も含めた対策が必要である.