心臓
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第17回臨床不整脈研究会 高周波通電により心室細動が誘発されるベラパミル感受性特発性左室心室頻拍の1例
関口 幸夫山内 康照佐々木 毅樋口 晃司久佐 茂樹大西 健太郎宮本 貴庸尾林 徹丹羽 明博横山 泰廣高橋 淳野上 昭彦青沼 和隆
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2005 年 37 巻 Supplement4 号 p. 165-169

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抄録

18歳,男性,2000年8月に動悸発作にて近医受診,心電図では心拍数200/min前後の上方軸・右脚ブロックパターンを呈する心室頻拍(VT)を認め,精査加療目的にて紹介入院となった.VTはisoproterenol投与下での心室プログラム刺激で誘発,停止が可能であった.VT中のマッピングでは,左室中隔下部心尖部領域でdiastolic potentialとPurkinje potentialが同時に記録される部位があり,同部位でVT中に高周波通電を開始すると,速い反復性心室応答(RVR)が出現し心室細動へ移行し,直流通電による除細動を行った.この現象は可現性をもって出現し,後日に洞調律下で焼灼を行った.洞調律下に通電を開始すると,clinical VTと類似波形のVTやレートの速いRVRが出現し,これらは通電を中止すると同時に停止した,左脚後枝領域を縦断するように線状焼灼を施行した後には,局所電位でQRS波形の後方に異常電位が記録された.アブレーション後はVTの再発なく経過している,高周波通電中に心室細動が誘発されるベラパミル感受性特発性左室心室頻拍はまれであるため報告する.

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