心臓
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第40回理論心電図研究会 不整脈と性差-性ホルモンの作用
中島 敏明飯田 陽子大沼 仁岸田 信也高野 治人岩沢 邦明永井 良三
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2006 年 38 巻 5 号 p. 542-548

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抄録

男性は女性に比し,心房細動,心筋梗塞などに伴う心室頻拍,突然死などの発症が多く,一方,女性は,男性に比し,QT延長症候群(特発性,薬剤性)の発症が多い.これら不整脈の性差の機序については,現在でも不明な点が多いが,性ホルモンの心筋イオンチャネル,自律神経などへのgenomic,nongenomicな作用が複雑に関与していると考えられる.一方,不整脈治療においては,不整脈に対する直接効果を狙った下流に対する(downstream)治療とともに,近年では,その原因に追るアプローチである,より上流に対する(upstream)治療の重要性が注目されている.
本稿では,不整脈の性差の発生機序につき,不整脈のupstreamおよびdownstreamへの性ホルモンの作用の点から概説する.

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