心臓
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第16回 体表心臓微小電位研究会 心筋梗塞サイズとマイクロボルトT-wave alternansとの関連性について
Contrast-enhanced MRIを用いての評価
中村 健太郎池田 隆徳柚須 悟三輪 陽介宮越 睦榊 桂阿部 敦子石黒 晴久塚田 雄大米良 尚晃坂田 好美吉野 秀朗
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2007 年 39 巻 Supplement1 号 p. 9-13

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抄録

目的:心筋梗塞後の突然死予知にマイクロボルトT-wave alternans(M-TWA)が有用である.Contrast-enhanced MRI(CE-MRI)は高い空間分解能を有し梗塞巣を正確に描出できる.本研究ではCE-MRIによる梗塞サイズとM-TWAとの関連性を評価した.
方法:対象は心筋梗塞患者連続109例である.MTWAはトレッドミル運動負荷法で評価した.CEMRIでは左室短軸像における梗塞巣の最大壁内進展度(%)と領域占有度(%)を計測した.左室駆出率(LVEF)とpeak CKについても評価した.
結果:M-TWA異常は32例(陽性26例,判定不能6例),陰性は77例であった.TWA異常群は陰性群と比較して,最大壁内進展度と領域占有度が有意に高かった(それぞれP=0.032,P<0.001).LVEFとpeak CKについても両群間で有意差が認められた.
結語:CB-MRIで測定された心筋梗塞サイズとMTWA出現とには関連性があり,心筋梗塞サイズが大きいほど再分極過程の不安定性が高くなることが示された.

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