1975 年 7 巻 10 号 p. 1202-1209
UCGによる三心房心の診断は,左房を二分する異常中隔を証明することにあるが,その所見を要約すると以下の如くなると思われる.
1)左室流出路を見込む方向において,僧帽弁前尖の後方に拡張期に前方へ,収縮期に後方へ向かう矩形波に近似したエコーとしてとらえられた、そのエコーは左房後壁の振幅や立ち上り速度を上回り,前尖のD点よりわずかに遅れて前方へ向かっていた.エコー強度は前尖のそれを凌駕していた.
2)大動脈・左房を見込む方向では,左房後壁と類似した動きを示すが,その振幅は大であった.ビームの方向によっては,多層あるいは一層の工コーとしてとらえられた.
3)心尖部方向より大動脈弁方向へのM-mode scan を施行すると,上述したエコーは一連の動きとしてとらえられた.