心臓
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症例 先天性完全房室ブロックおよび修正大血管転換症に合併した高度房室ブロックの2小児例 His 束心電図所見を中心に
新村 一郎原口 寿夫二瓶 東洋宮沢 要一郎
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1975 年 7 巻 6 号 p. 694-702

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抄録
就学前児童の心臓検診において,心内奇形のない先天性完全房室ブロックの1例と修正大血管転換症に合併した高度房室ブロックの1例を認めた.両者のHis束心電図では,ともにA波はH波を伴わず,H波とV波とは連結を示す His束より近位のブロックを思わせた.心内奇形のない症例では,さらに硫酸アトロピン負荷では,A-A間隔,H-H間隔はともに短縮をきたしたが,依然として完全房室ブロックの状態を続けた.心室内ペーシングには良く反応したが,右房ペーシングは無効であった.修正大血管転換症の合併例はHis束心電図の記録中に偶然捕捉収縮が認められた.この際の所見は,A-H間隔188~180msec,H-V間隔24msecとA-H間隔の延長が認められた.表面心電図上QRS幅は正常で,心室拍数は45~50/分,60/分であった.
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