心臓
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研究 Thallium-201心筋シンチグラムによる右室負荷疾患の評価
殊に血行動態との関連について
近藤 誠山崎 元大鈴 文孝半田 俊之介久保 敦司正木 英一秋月 哲史綾部 隆夫中村 芳郎
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1977 年 9 巻 6 号 p. 471-476

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抄録
生体内でカリウムと類似の行動をとる放射性同位元素Thallium-201を用い,右室負荷疾患において心筋シソチグラフィーを行った.その特徴および血行力学的諸因子との関係について検討した.対象は右室の圧容量負荷疾患20例,特発性心筋症6例,.血行動態正常9例である.右室負荷疾患では正常者に描出されぬ右室自由壁が撮像された.頻脈例では正常者でも右室壁が描出される場合がある。主として圧負荷によるものでは左右の心室腔は対称形に近く,中隔は真直ぐに描出された.主として容量負荷によるものでは,著しく拡大した右室腔がみられたが,中隔は正常者と同様右室側へ弓状に突出していた.このうち23例に心臓カテール検査を施行した.
右室自由壁描出群の右室後負荷すなわち肺動脈圧は異常高値をとったが,右室負荷のない心筋症例にも描出がみられ,右室壁描出に関与する因子として,右室への血流量増大,心筋massの増大などが推測された.
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