植物環境工学
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論文
夜温がイチゴ果実の糖,有機酸,アミノ酸, アスコルビン酸, アントシアニンおよびエラグ酸濃度に及ぼす影響
松添 直隆川信 修治松本 幸子木村 宏和圖師 一文
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2006 年 18 巻 2 号 p. 115-122

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抄録

人工気象器でイチゴ(品種:‘とよのか’と‘女峰’)を栽培し,イチゴの果実成分に与える夜温の影響を調べた.果実の成熟日数は23/10℃(昼間/夜間)で最も長く,23/20℃で最も短かった.果重は夜温が高いと減少した.糖含量は23/20℃で有意に少なかった.有機酸含量は,‘とよのか’では処理間差がなかったが,‘女峰’では夜温が高いと増加する傾向にあった.また,糖酸比は両品種ともに23/20℃で非常に小さくなった.全アミノ酸含量は品種間差が認められた.夜温の影響は各アミノ酸により異なり,アスパラギン,グルタミン酸およびアラニンでは23/10に比べ23/20で低くかった.還元型アスコルビン酸は夜温の上昇に伴い低下したが,酸化型アスコルビン酸は夜温による差異がなかった.アントシアニン含量は夜温が高くなると増加した.また,アントシアニンの構成比には夜温の影響はなかった.エラグ酸含量は23/10℃に比べ23/20℃で高かった.また,夜温の上昇によるエラグ酸含量の増加は,‘とよのか’に比べ‘女峰’で大きかった.

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© 2006 日本植物工場学会
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