2010 年 22 巻 4 号 p. 187-193
野菜を自給したい指向を持つ消費者層に対して, どこでも植物生産が可能な植物工場技術を応用し, 現在普及している人工光源でイニシャルコストが最も安い電球型蛍光灯を用いて, 居住空間の中で葉菜類を中心とした栽培を可能にする家庭用低コスト野菜工場の開発を提案した. 室内の環境計測結果に基づき, 環境制御システム, 養液栽培装置を簡易化することによって, 約1万7千円の部品原価で, サラダナ程度の大きさで最大6株程度を栽培可能な装置を提案した. 葉菜類を中心とした栽培試験の結果, 試作した装置は, 当初の目的を満足する性能であることが示された. 得られた結果を参考にして, 今後, 製品化を目指して開発を進める予定である.