住宅総合研究財団研究論文集
Online ISSN : 2423-9887
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水害・震災仮設住宅の居住環境支援に関する研究
新潟県中越における実践的研究
岩佐 明彦安武 敦子新海 俊一篠崎 正彦小林 健一
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ジャーナル オープンアクセス

2007 年 33 巻 p. 207-217

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抄録

 本研究は2004年の7.13水害,中越地震で建造された応急仮設住宅の居住環境を(1)居住者による住みこなしと(2)コミュニティの実態から明らかにするものであり,調査と並行して居住環境改善の支援を行う点に特徴がある。調査では風除室増築に注目した概況把握調査の後,仮設住宅団地6ヶ所で「仮設カフェ」を開き,住みこなしの工夫に関する情報を提供しながら,フリーインタビューを行い以下を明らかにした。(1)仮設住宅の風除室の増築形態は,元々の仮設住宅の微妙な違いによって差があり,ノウハウが流通しないため仮設団地間で地域差が見られる。(2)仮設住宅団地内の人のつながりは形成されているが,閉塞的,排他的であり,より多様な関係の構築が必要となっている。

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© 2007 一般財団法人 住総研
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