植物環境工学
Online ISSN : 1880-3563
Print ISSN : 1880-2028
ISSN-L : 1880-2028
論文
小ギク切り花の開花程度選別を機械化するための計測手法
仲 照史濱田 敏弘松本 由利子福本 靖彦印田 清秀後藤 丹十郎
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 26 巻 3 号 p. 145-153

詳細
抄録
小ギク切り花の開花程度を数値化する方法として,天頂方向から撮影した画像を用い,その緑色部と非緑色部のみかけの面積比を基準にした画像評価値(F/G値)について検討した.一斉収穫した2品種の小ギク切り花を目視区分しF/G値を測定した結果,F/G値は目視区分と強い正の相関(R2=0.875~0.940)を示した.同一標本を用いた経時変化を3品種で測定したところ,開花程度の進行に応じて,膜切れ期から満開期前までの広い範囲でF/Gは単調増加した.この時のF/G値の変化は,頭花ごとの開花ステージで重み付けした蕾数割合の変化と強く相関していた.さらに,F/G値が既知の切り花について11人の生産者に出荷可否の判断を求め,その判断はF/G値を独立変数とするロジットモデルによって近似できた.これらの知見を基に,重量式キク選別機にCCDカメラと暗室条件を外挿してF/G値を得たところ,誤認識率は6~13 %に留まり,選別機へのF/G値の応用可能性が示唆された.
著者関連情報
© 2014 日本生物環境工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top